- Qwen(クウェン)とは?
Qwen(クウェン)は、Alibaba Cloudが開発するオープンソースの大規模言語モデル(LLM)シリーズです。名前は中国語の「千問(qiān wèn)」に由来し、「千の問い」を意味します。
Apache 2.0ライセンスで提供されており、商用・非商用問わず自由に利用・改変が可能です。最新のQwen 3は、多言語対応、推論能力、効率性のすべてが前世代より向上しています。
Qwen 2.5とQwen 3の違い
- 学習データ量と構造
Qwen 2.5は約18兆トークンを学習。Qwen 3では約36兆トークンに倍増し、Mixture-of-Experts(MoE)構造を採用。効率的かつ高精度な推論が可能になりました。 - 推論モードの切り替え
Qwen 3では、精度重視の「Thinking Mode」と高速応答の「Non-thinking Mode」を切り替え可能。用途に合わせた運用ができます。 - 多言語対応
Qwen 2.5では限定的だった多言語対応が、Qwen 3では119言語・方言に拡大。国際展開や地域特化型アプリケーションでも活用しやすくなりました。
GPTやClaudeとの比較
- ライセンスと自由度
Qwenは完全オープンソース。GPTやClaudeは商用APIが中心で、利用制限やコストが発生します。 - 性能面
Qwen 3は、コード生成や多言語処理でClaude Sonnet 4や一部のGPTモデルに匹敵する性能を発揮。特にQwen Coderシリーズはコーディング支援に特化しています。 - コスト面
ローカル実行が可能なため、API利用料を抑えられるのは大きな利点です。
Cursor AIでQwenを使う方法
Cursor AIではQwenモデルを直接利用できます。特にQwen 2.5 CoderやQwen 3 Coderは、開発現場でのコード補完・修正に強力なアシストを提供します。
利用方法は大きく分けて OpenRouter経由 と Ollama経由 の2通りがあります。
OpenRouter経由で使う場合
OpenRouterとは
複数のAIモデルをAPI経由で利用できるクラウドサービス。高性能モデルをPC性能に依存せず利用できます。
【手順】
qwen/qwen-2.5-coder-32b-instruct
)を入力Ollama経由で使う場合
Ollamaとは
ローカル環境で大規模言語モデルを実行できるツール。PCにモデルをダウンロードして直接動かすため、オフラインでも動作します。
【手順(例:Qwen 7B)】
ollama pull qwen:7b
ollama serve
http://localhost:11434
に、モデル名を qwen:7b
に設定どちらを選ぶべきか?
- 高性能PCを持っていない場合 → OpenRouter経由
- セキュリティ重視・オフライン利用したい場合 → Ollama経由
将来性
Qwenシリーズはオープンソースであり、世界中の開発者や研究者が改良に参加可能です。
Qwen 3で強化された多言語対応や推論モード切替は、次世代AIの標準機能として普及する可能性が高いでしょう。
また、Alibabaは定期的なモデル更新を予定しており、今後の進化が期待されます。
必要なPCスペック
- 軽量モデル(1B〜7B):メモリ16GB程度のノートPCでもローカル実行可能
- 大型モデル(72B〜235B):VRAM 30GB以上のGPU推奨、またはクラウド利用
- Cursor経由利用:API接続なのでPC負荷はほぼゼロ
まとめ
Qwen 2.5とQwen 3は、オープンソースで高性能なLLMとして、開発・研究・多言語処理に強みを持っています。
Cursor AIではOpenRouter経由とOllama経由の両方で利用でき、それぞれにメリットとデメリットがあるため、環境や目的に合わせて選択するのがおすすめです。
最新情報やモデルの詳細は、必ず公式サイトで確認しましょう。