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AI・生成AI使ってみた 2026年8月23日

Gemini TTSで日本語の声を作る|疑問形が読めない問題

かつ

かつ

2026/08/23

「Gemini TTS 疑問形が読めない 16種すべてで同じ結果 12話で3,750円」と書かれたアイキャッチ画像

この記事で分かること

  • Gemini の音声合成(TTS)で日本語のセリフを作った結果
  • 12話ぶんで約3,750円という実際の費用
  • 日本語の疑問形が読めないという、用途を選ぶ問題
  • 本番で使うなら Vertex AI 経由にすべき理由と、その設定手順

結論を先に書きます

独白やナレーションが中心なら、Gemini TTS は十分に使えます。 演技の指示がよく効いて、しかも安いです。12話ぶんで約3,750円でした。

ただし、会話が多いものには向きません。 日本語の疑問形が読めないからです。「〜ますか?」「〜ませんか」の抑揚が崩れます。男性プリセット16種類すべてで同じでした。

質問文が出ない台本かどうか。これが使えるかどうかの分かれ目になります。


Gemini の TTS とは

Google の Gemini に、テキストを音声にする機能があります。使ったモデルは gemini-2.5-pro-preview-tts ほかです。

用意された声のプリセットから選んで使います。自分で新しい声を作ることはできません。そのかわりプリセットの種類が多く、比較して選べます。


公式ドキュメント

Text-to-speech generation (TTS)  |  Gemini API  |  Google AI for DevelopersGet started generating audio with the Gemini APIai.google.dev

何に使ったか

生成AIで長編アニメーションを制作しています。そのうち第1〜12話のセリフを Gemini TTS で作りました。

費用は約3,750円です。1話あたり300円ほどの計算になります。

使った声はこうです。

プリセット
女性主人公役 Leda
男性役 Fenrir

男性役は当初 Charon を使っていましたが、想定より年上に聞こえたので Fenrir に変更しました。決めるまでに男性のプリセット16種類を比較しています。


良かった点

演技の指示が効く

これは想像より効きました。

  • 「独白」
  • 「明るくしない」
  • 「語尾を上げない」

こうした指示に素直に反応します。同じ文章でも、指示を変えると読み方がはっきり変わります。 演技をつけたい場面では役に立ちました。

安い

第1〜12話ぶんで約3,750円。試した中で、ローカルの無料エンジンを除けば一番安く済みました。

長い作品を作る場合、費用は積み上がります。ここで差がつくのは無視できません。

プリセットの種類が多く、比較して選べる

男性だけで16種類を比較できました。声を作れない代わりに、選択肢の中から探せるというのは利点です。

ただし後述するとおり、選択肢の中に合うものがなければそこで打ち止めでもあります。

規約が明快で、商用利用できる

Gemini API の利用規約上、生成物の所有権を Google は主張せず、商用利用できます。 ただし法令を守る責任は利用者側にあると明記されています。

使える声は Google が提供する合成音のプリセットで、特定の実在人物の声を複製したものではありません。 誰かの声に似せた音声を使うときに生じるような問題は起きにくい構成です。

規約が読みやすく、判断に迷わなかったのは良い点でした。


悪かった点

日本語の疑問形が読めない

これが本題です。

「〜ますか?」「〜ませんか」の抑揚が崩れます。

問題は、これが特定の声だけの話ではなかったことです。

  • 男性プリセット16種類すべてで同じでした
  • さらに、日本語専用の Google Cloud TTS でも同じでした

つまり、声を変えれば解決する問題ではありませんでした。

結果として、セリフを平叙文に書き換えるしか手がありませんでした。 質問しているセリフを、質問の形をやめて書き直すということです。

短いナレーションなら影響はありません。しかし会話が多いものでは致命的です。 会話には必ず質問が出てきます。それを全部平叙文に直すのは、台本そのものを変えることになります。

同じ文でも、作るたびに声がぶれる

同じ設定・同じ文章で生成しても、別人のように聞こえることがありました。

1本ずつ作って聞くぶんには気づきにくいのですが、話をまたいで並べたときに揃わないという形で出ます。長い作品では、これも積み重なると問題になりました。

AI Studio の無料枠は、入力が学習に使われることがある

本番で使うなら無料枠は避けたほうがいいです。

AI Studio の無料枠は、入力した内容が学習に使われることがあります。公開前の台本を入れる場合、ここは気にしたほうがいい部分です。

対策は2つで、課金枠を使うか、Vertex AI 経由にすることです。次に設定手順を書きます。

1日の回数制限がプロジェクト単位

AI Studio のキーで使う場合、1日の上限はプロジェクトごとにかかります。

キーを2本(別プロジェクトで)用意すれば回避できますが、どちらのキーで何を作ったかを管理することになり、運用が煩雑になります。数をこなす用途なら、これも Vertex AI 経由を選ぶ理由になります。


本番で使うなら Vertex AI 経由にする

Vertex AI 経由なら、同じモデル・同じ声で回数の上限がありません。 入力が学習に使われる心配もありません。本番で回すならこちらです。

準備はこれだけです。

  1. Vertex AI API を有効化するaiplatform.googleapis.com
  2. サービスアカウントに「Agent Platform ユーザー」の権限を付ける(旧称は Vertex AI User)

権限名は変わっていますが、指しているものは同じです。古い記事を見ていると「Vertex AI User」と書かれていることがあるので、見つからない場合は新しい名前で探してください。


どういう用途なら使えるか

使えます

  • 独白やナレーションが中心のもの。 疑問形が出ないので、崩れる場面がありません
  • 費用を抑えたい場合。 12話ぶんで約3,750円という水準です
  • 演技の指示を文章で付けたい場合。 「明るくしない」といった指示がよく効きます

避けたほうがいいです

  • 会話が多いもの。 質問文が必ず出るので、そのたびに崩れます
  • 話をまたいで声を厳密に揃えたい場合。 同じ設定でもぶれます
  • キャラクターに固有の声が必要な場合。 プリセットから選ぶだけなので、合うものがなければ打ち止めです

これから使う人へ

  1. まず自分の台本に質問文がどれくらいあるか数えてください。 多いなら、この用途には合いません。少ないかゼロなら、費用対効果はかなり良いです
  2. 本番運用は Vertex AI 経由にしてください。 回数上限がなく、入力が学習に使われる心配もありません。設定は API 有効化と権限付与の2つだけです
  3. 声は必ず複数を比較してから決めてください。 16種類を聞き比べて、当初の選択を変えることになりました。最初に良いと思ったものが最適とは限りません
  4. 生成した音声は保存しておいてください。 サービス側の更新で同じ音声が作れなくなることがあります。他社で実際に起きました
  5. 商用利用は可能ですが、法令を守る責任は利用者側にあります。 規約にそう明記されています。何を読ませるかは自分の責任だということです

まとめ

Gemini TTS は、独白やナレーションが中心なら十分に使えます。 演技の指示が効いて、安く、規約も明快です。

会話が多いものには向きません。 日本語の疑問形が読めず、男性プリセット16種類すべてで同じでした。日本語専用の Google Cloud TTS でも同じだったので、声を変えて解決する問題ではありませんでした。

台本に質問文が多いかどうかで判断してください。 これが一番はっきりした基準です。そして本番で回すなら Vertex AI 経由にしてください。

他のサービスとの比較は別の記事にまとめています。費用や商用利用の条件をサービスごとに並べているので、選ぶ段階の方はそちらも見てみてください。

この検証は、現在制作中の長編AIアニメーションの制作過程で行っています。作品の公開が始まったら、この記事からもお知らせします。



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この記事の著者・監修

カツ
生成AIエンジニア/フロントエンドエンジニア/舞台監督などなど

カツ

カツプロ運営者のカツです! AI・Web関連から、日常のことなど、私目線の回答も交えながらお伝えします!

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