IllustratorのパンフレットをClaudeに直してもらう|MCPのつなぎ方と作業の相場
かつ
2026/10/14
Illustrator で作ったパンフレットに、「文字を全部このフォントにそろえて」「ここに写真を1枚入れて」といった修正の依頼が来ることがあります。こうした作業を、AI の Claude にそのまま頼めるかを試しました。
使ったのは、Claude を Illustrator につなぐ MCP という仕組みです。つなぐと、Claude が Illustrator を直接動かして、データを書き換えます。人がマウスを動かす必要はありません。
まず結論
- Claude Code に Illustrator をつなぐのは、コマンド1行 でした
- 三つ折りパンフレットへの2つの修正(フォントの一括変更 と 集合写真の配置)を、Claude が 5分52秒 で終えました
- 文字は アウトライン前のまま。あとから Illustrator で普通に打ち直せます
- Claude から「判断してほしい所」が3つ返ってきました。仕上がりは人の目で確かめる 必要があります
- 使う人は、Illustrator の契約と Claude の利用料が要ります
試したこと
パンフレットと依頼
試したのは、架空の「LINEO デザインスクール」の受講案内です。A4 の巻き三つ折りで、色は CMYK、背景は塗り足し3mmまで作ってある、印刷所に出せる形のデータです。

これに、クライアントから次の2つの修正が来た、という設定にしました。
- 文字を全部、BIZ UD ゴシックに統一してほしい
- 中面のまん中の面に、講師とスタッフの集合写真(縦長)を入れてほしい。カリキュラムは詰めてもかまわない
頼み方
Claude Code に、依頼の文をファイルで渡して、次のように頼みました。
Illustrator で開いている「LINEO_三つ折り_オリジナル.ai」を、依頼.txt のとおりに直して。文字はアウトラインせず、あとで直せるまま残す。終わったら別名で保存して、PNG でも書き出して。
Claude がやったこと
Claude はまず書類の中の文字を全部調べ、62個の文字を、元の太さに合わせて置き換え ました。太い文字の40個は BIZ UD ゴシックの Bold に、本文などの22個は Regular に、という分け方です。置き換えたあと、元のフォントが残っていないかも自分で確かめていました。

そのあと集合写真を置き、写真の下に収まるように、カリキュラムの行の間を詰めました。

フォントの前と後を、同じ場所で比べるとこうなります。上が直す前(明朝とゴシックが混ざっている)、下が直した後(BIZ UD ゴシック)です。

作業の時間は、Claude Code の画面の表示で 5分52秒 でした。
Claude から返ってきた「判断してほしい所」
終わったあと、Claude は次の3つを「判断してほしい所」として挙げてきました。
- 英字の字間:BIZ UD ゴシックは文字の幅がそろった書体なので、「www.example.com」などの英字が間延びして見える。幅を詰めた BIZ UDP ゴシックにする手もある
- 写真の右の余白:写真を「02」の左端にそろえたので、右側が少し空いている。面の中央に置く案もある
- 本文の折り返し:単語の途中で行が折れた所がある
どれも、見る人の好みやクライアントの意向で答えが変わる所です。最後は人が見て決める 必要があります。
つなぎ方
使ったのは、ie3jp さんが公開している illustrator-mcp-server です(MIT ライセンス・無料)。Illustrator の正式版で動き、図形や文字を作る・直す・書き出すなど、60個あまりの道具を Claude に渡せます。

- Illustrator を起動して、直したい書類を開いておく
- Claude Code で次の1行を打つ(Node.js 20 以上が要ります)
claude mcp add illustrator-mcp -- npx -y illustrator-mcp-server
claude mcp get illustrator-mcpで「Connected」と出れば準備完了。Claude Code を起動し直して、ふつうの言葉で頼みます
Windows の PowerShell で打つときは、-- が PowerShell に取られてしまうので、'--' のように引用符で囲むか、コマンドプロンプトで打ってください(試したときに実際にここでつまずきました)。
出典:illustrator-mcp-server(日本語の説明)|GitHub
Adobe 公式の MCP もある
Adobe も、Illustrator(Beta)に MCP の仕組みを入れています。Illustrator(Beta)の「MCP & Tools」から Claude Code 用のコマンドを写して使う形です。正式版ではなく Beta 版が要るので、今回は使いませんでした。
出典:Connect Adobe Illustrator (Beta) to AI tools|Adobe ヘルプ
気を付けること
- illustrator-mcp-server は個人の開発者の公開物で、Adobe の公式ではありません。作者も「AI は間違えることがある」「印刷入稿やクライアント納品物は手動での確認と併用を」と書いています
- 今回の版(1.10.3)の道具には、縦書きや回転の指定がありませんでした。縦組みの見出しを新しく作るような作業は、MCP の道具だけでは難しいことがあります
- Windows では、作者が「実機未検証」と書いています。今回は Windows 11 と Illustrator 2026(30.4)で動きました
作業代に、いくら払っていたか
Illustrator を持っていないと、こうした修正はデザイナーに頼むことになります。依頼サービスが出している相場は、次のとおりです。
| 頼むもの | 相場 | 出典 |
|---|---|---|
| 静止画のバナー 1枚 | 3,000〜20,000円 | ココナラマガジン(2026年3月3日) |
| チラシのデザイン(A4・B5など) | 2〜5万円 | クラウドソーシングTimes(2025年5月13日更新) |
| 修正が多いときの修正費 | デザイン費の20〜40% | 同上 |
一方、Illustrator の単体プランは、年間プラン(一括払い)で 34,680円(税込)、月あたりにすると 2,890円 です。Illustrator を契約すれば、写真の差し替えや文字の直しといった 作業 は、Claude に頼めるようになります。Claude の利用料は別にかかります。
出典:バナー制作の相場|ココナラマガジン/チラシ作成・デザインの料金相場|クラウドソーシングTimes/Adobe Illustrator のプランと価格|Adobe
払うなら、センスと腕に
「作業に時間がかかるから」という理由でお金を払うのは、もうやめていいと思います。デザイナーにお金を払うなら、センスと腕 に対して払うべきです。何を伝えるか、どう見せるか、どの写真を選ぶか。そうした判断は、今回の Claude も「判断してほしい所」として人に返してきました。
まとめ
Illustrator を MCP で Claude につなぐと、フォントの一括変更や写真の配置のような修正を、言葉で頼むだけで進められました。データはアウトライン前のままで、あとから人が手を入れられます。
ただし、仕上がりの判断は人の仕事として残ります。作業は Claude に任せ、人はセンスと判断に時間を使う。そういう分け方ができる段階に来ています。
※この記事のパンフレットは架空の例です。写真の人物と、動画の声は AI で作っています。
この記事の著者・監修
カツ
カツプロ運営者のカツです! AI・Web関連から、日常のことなど、私目線の回答も交えながらお伝えします!
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