「みんなGoogleで調べている」は本当?検索1位だけ狙う時代の終わり
かつ
2026/09/20
「Googleで1位を取りたいんです」。サイト制作や集客のご相談で、この言葉はいまも本当によく聞きます。理由を伺うと、たいてい「だって、みんなGoogleで調べているから」と返ってきます。
その気持ちはよく分かります。長いあいだ、Webで見つけてもらうことは、ほぼ「Googleで上に出ること」と同じ意味でした。
ただ、私はその前提がもうかなり古くなっていると考えています。Googleの価値がなくなるわけではありません。それでも「Googleで1位さえ取れば安心」という時代は、すでに終わりつつあるというのが、現場にいる私の実感です。
この記事では、耳の痛い話も含めて、その理由を正直に書いてみます。
「みんなGoogleで調べている」は、本当に確かめましたか
「周りはみんなGoogleだよ」「うちのお客さんはAIなんて使っていない」。こうした声もよく聞きます。責めたいわけではありません。ただ、次の3つを一度だけ振り返ってみてほしいのです。
1. 周りの人に、具体的に聞いてみましたか
「何かを調べるとき、最近は何を使っていますか?」と実際に聞いてみると、答えは意外と違うことがあります。「なんとなくGoogleだと思う」は、聞いた結果ではなく、想像であることが多いです。
2. あなた自身は、本当にChatGPTを使っていませんか
仕事の文章を考えるとき、何かの手順が分からないとき。検索窓ではなく、ChatGPTやGeminiに話しかけていないでしょうか。スマホでGoogleを開いたときに出てくる「AIによる概要」(検索結果の上に出るAIのまとめ)だけ読んで、サイトを開かずに済ませたこともあるかもしれません。自分自身の行動が、すでに変わっていることもあります。
3. 「周り」は、どの年代の人たちですか
サイバーエージェントが2026年8月に全国の15〜69歳の9,278人に行った調査(2026年9月4日発表・出典)では、生成AIで調べものをする人の割合は、10代で80.6%、50代で46.1%、60代で39.6%でした。同じ調査で年代によってここまで差があります。自分の周りがGoogle中心に見えるのは、周りの年代が理由かもしれません。
数字で見ると、調べ方ははっきり変わっている
同じ調査の全体の数字も見てみます(出典は上と同じ)。
- 検索エンジンを使う人:86.9%(2025年5月の調査では91.9%)
- 生成AIチャットで調べる人:52.3%(2025年5月の調査では21.3%。GoogleのAI Modeを含む)
検索エンジンはいまも多くの人に使われています。一方で、AIで調べる人は2倍以上に増え、半分を超えました。
2つの数字を足すと100%を超えます。つまり、少なくとも約4割の人は「検索エンジンもAIも両方使っている」計算になります。そして両方を使う人のうち46.6%が「調べものの半分以上をAIに切り替えた」と答えています。
「Googleで調べる人が多い」は、今も正しいです。ただ、それは「Googleだけで調べる人が多い」という意味ではなくなってきています。この調査の詳しい読み解きは「AIで検索する人が52.3%に。でも使い方の深さは止まった」にまとめています。
現場で感じていること
ここからは統計ではなく、私個人の観察です。
オンラインレッスンやクライアントとの打ち合わせで、「それ、ChatGPTに聞いたら教えてくれました」という言葉を聞くことが明らかに増えました。以前なら「検索したら出てきました」だった場面です。
調べものの入口が、「検索窓にキーワードを打つ」から「AIに質問する」へ移りつつある。私はそう感じています。
振り返ると、ChatGPTが一般公開されたのは2022年11月でした(出典)。私は、このころを境に「調べもの=Google一択」の時代は終わりに向かい始めたと考えています。
Googleでは上位に出ないのに、AIには正しく紹介されていた
「Googleで上位に出ない=誰にも見つけてもらえない」。この考え方も、もう言い切れなくなっています。私が関わっている、ある会社のサイトの例を紹介します(特定を避けるため、業種・社名・地域は伏せます)。
このサイトは、Googleでは上位に表示されていません。
ところが、Microsoftの検索エンジンであるBingでは、会社名で検索すると1位に表示されていました。
さらに、ChatGPTやMicrosoft Copilotで会社名を質問すると、所在地、事業内容、設立年などが正しく答えられていたのです。
Google中心の考え方でいえば、このサイトは「まだ見つけてもらいにくいサイト」です。でも実際には、AIに質問した人には、正しい情報がきちんと届いていました。
なぜそうなったのか、仕組みをすべて確かめたわけではありません。ただ、Microsoftは、Copilotが質問に答えるときBingに検索クエリを送って情報を集めると公式に書いています(Microsoft Learn)。Bingで1位に出ていたことが、Copilotの正しい回答につながっていたと私は考えています。
この経験から私が学んだのは、「Googleの順位」は、見つけてもらう道の「ひとつ」にすぎないということです。道はすでに何本にも分かれています。
それでも、Googleが要らなくなるわけではない
ここまで読むと「じゃあGoogle対策はもう要らないの?」と思われるかもしれません。そうではありません。反対の意見にも、きちんと理由があります。
検索エンジンを使う人は、まだ8割を超えている
先ほどの調査でも、検索エンジンの利用は86.9%です。減ってきてはいても、いまも大多数の人が使っています。ここを軽く見るのは間違いです。
GoogleのAIは、Googleの検索の上で動いている
Googleの「AIによる概要」やGeminiでの調べものは、Googleの検索の仕組みとつながっています。つまりGoogleにきちんと評価されることは、GoogleのAIに紹介されるための土台でもあります。「Googleか、AIか」ではないのです。
地域のお店・事業所には、Googleマップがまだ大きい
「近くの〇〇」を探すとき、地図で探す人は多いです。お店や事業所にとって、Googleマップに正しい情報が載っていることの重要性は、いまも大きいままです。
私が言いたいのは「Googleはもう古い」ではありません。「Googleだけ見ていればいい、という考え方が古い」ということです。
これからの集客で大事になること
検索順位だけを目標にしない
「〇〇というキーワードで1位」だけを目標にすると、AIで調べる人の動きが見えなくなります。これからは「お客さんがどこで調べても、自分の会社が正しく出てくるか」を目標にするほうが、実態に合っていくと考えています。
AIに「正しく紹介される」ための準備
AIは、Web上のさまざまな情報をもとに答えを作ります。だからこそ、情報がバラバラだったり古かったりすると、間違った紹介をされるおそれがあります。できることは、たとえば次のようなものです。
- 会社情報を正確にそろえる:社名、所在地、電話番号、設立年などを、自社サイト・Googleマップ・各種ポータルサイトで同じ表記にする
- 事業内容の書き方を統一する:「何をしている会社か」を、どのページでも同じ言葉で説明する
- 構造化データを入れる:構造化データとは、「これは会社名」「これは住所」とAIや検索エンジンに分かる形でページに書き込む仕組みです
- 信頼できる外部サイトで紹介される:業界団体、地域の情報サイト、取材記事など、自社以外の場所にも正しい情報がある状態を作る
こうした取り組みは、AEO(回答エンジン最適化)やGEO(生成エンジン最適化)と呼ばれることもあります。回答エンジンは、リンクの一覧ではなく質問への答えそのものを返す仕組みのことで、AIモードやAIによる概要もこれにあたります(公式の定義はなく、私の言葉での説明です)。生成エンジンは、複数の情報源から集めた情報をAIで要約して答える検索の仕組みのことで、2023年11月に公開された論文「GEO: Generative Engine Optimization」(arXiv)で使われた言葉です。今のAI検索では、2つが指すものはほぼ同じです。Googleは、どちらも「AI 検索エクスペリエンスでの視認性の向上に特化した作業を説明するために使用されることがある用語」だと説明しています(Google 検索の生成 AI 機能向けに最適化するための Google のガイド)。公式の見解と具体的な対策は「【2026年9月】SEO・AIO対策まとめ|Google公式と業界調査」、WordPressでの設定は「WordPressで始めるAI検索対策」で解説しています。
公式が言っていること、業界が見ていること
では、AIに正しく紹介されるために何をすればいいのか。ここは、公式が言っていることと、業界が調査から推測していることを分けて見る必要があります。
公式(Google・Microsoft)が言っていること
- Googleは、AIによる概要やAIモードに出るために「別途特別な最適化を行う必要もありません」と書いています(Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」)
- 2026年5月に公開されたGoogleの生成AI向け最適化ガイドでは、AI向けの対策もGoogleから見ればSEOだという立場で、llms.txt(AI向けの案内ファイル)はGoogle検索では使わないと明記しています。代わりに求めているのは、誰でも書ける一般論ではなく、経験や専門性にもとづく独自の内容です
- Microsoftは、Copilotが質問に答えるとき、Bingに検索クエリを送って情報を集めると書いています(Microsoft Learn)
業界(海外の大手SEOツール会社)が調査から見ていること
- AIによる概要で引用されたページのうち、同じ検索で上位10位にも入っていたのは、Ahrefsの調査で38%、BrightEdgeの調査で約17%でした。検索順位とAIの引用は、必ずしも一致していません
- AIによる概要が出る検索では、1位のページの平均クリック率が58%低かったという調査もあります(Ahrefs、30万キーワードを調査)
- AIでの見え方は、YouTubeやWeb上で名前が言及されていることと強く関係していた、という調査もあります(Ahrefs、7万5千ブランドを調査)
ただし、業界の調査は「一緒に起きていること」を調べたもので、公式が認めた仕組みではありません。公式の見解と業界の調査を分けて、出典付きで詳しく整理した記事を「SEO・AIO対策の最新まとめ」に書きました。
Google対策とAI対策は、両方やるもの
ここで大事なのは、どちらかを選ぶ話ではないということです。会社情報を正確にそろえる、分かりやすいページを作る。こうしたことは、Googleにも、AIにも、そして実際に読む人にも役立ちます。やることの多くは重なっています。
変えるべきなのは作業よりも、「Googleで1位になれば勝ち」という目標の置き方のほうだと、私は考えています。
まとめ:「1位を取る」から「正しく見つけてもらう」へ
Googleで調べる人は、いまも多いです。それは事実です。けれど、「みんなGoogleだから、Googleだけ見ていればいい」という考え方は、もう実態からずれ始めています。
一度、周りの人に「最近、何で調べてる?」と聞いてみてください。そして、自分の会社の名前をChatGPTやCopilotに質問してみてください。どう紹介されるかを見るだけでも、見え方は大きく変わるはずです。
これからの目標は、「1位を取ること」から「どこで調べられても、正しく見つけてもらうこと」へ。その準備は、今日からでも始められます。
この記事で使った出どころ
- サイバーエージェント プレスリリース「生成AIのユーザー利用実態調査(2026年8月期)」(2026年9月4日)
- ChatGPT(Wikipedia)
- AI 機能とウェブサイト(Google 検索セントラル)
- Google 検索の生成 AI 機能向けに最適化するための Google のガイド(Google 検索セントラル)
- Data, privacy, and security for web search in Microsoft Copilot(Microsoft Learn)
- Update: 38% of AI Overview Citations Pull From The Top 10(Ahrefs)
- AI Overviews at the One-Year Mark(BrightEdge)
- Update: AI Overviews Reduce Clicks by 58%(Ahrefs)
- Top Brand Visibility Factors in ChatGPT, AI Mode, and AI Overviews(Ahrefs)
この記事の著者・監修
カツ
カツプロ運営者のカツです! AI・Web関連から、日常のことなど、私目線の回答も交えながらお伝えします!
この記事をシェア