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WordPressセキュリティ 2026年9月28日

記事を読んだふりの日本語スパムコメントに注意|見分け方とWordPressの対策

かつ

かつ

2026/09/28

要注意 記事を読んだふりの日本語スパムコメント 見分け方とWordPressの対策

わたしが運営している WordPress のサイトに、承認待ちのコメントが7件たまっていました。

開いてみると、どれも記事をちゃんと読んだうえでの感想です。記事の中の言葉や金額を引用して、「実際に受けた側の記録として、こういう数字を残してくれるのは助かります」のように、自然な日本語で書いてあります。

ところが、7件とも、中身はスパムでした。

これまで届くスパムコメントといえば、記事と関係のない英語の文章に、リンクがいくつも並んだものでした。ひと目でスパムと分かるので、迷うことはありません。

今回のものは違います。記事の感想として読むと、つい承認したくなります。同じようなコメントが届いている方も多いと思うので、実物と、見分けたポイントと、WordPress でできる対策をまとめます。

実際に届いたコメント

届いたコメントの一覧です。投稿者の名前・メールアドレス・IPアドレス、コメントを付けられた記事、コメントの中のリンクの文字はぼかしています。各コメントの1行目も、元の記事が分かってしまうのでぼかしました。

WordPressのコメント一覧の画面。承認待ちのコメントが並び、どれも自然な日本語の感想のあとに、ツールを使った話が続いている。投稿者・返信先・リンクの文字はぼかしてある

※7件のうち4件が写っています。

ぼかしていない部分を読むと、ふつうの感想に見えると思います。

7件に共通していた形

7件を並べると、すべて同じ形をしていました。

  1. 前半は記事の感想。 記事の中の言葉や数字を引用し、「自分にも経験がある」「助かりました」と書く
  2. 途中で話題が変わる。「話はそれますが」「ちなみに」「今週は」「私は今週、別件で」
  3. 後半は、自分が使っている道具の話。 書類をPDFにした、画像を補正した、ポスターを作った、など
  4. その道具の名前に、リンクが1本だけ入っている
  5. 小さな失敗談を添える。「最初は少し手間取りました」「そこだけ二回作り直しています」

5つ目がよくできています。良いことだけを書くと宣伝に見えますが、少し困った話を混ぜると、本当に使った人の体験談に見えます。

スパムだと分かった理由

1件ずつ読むと、見分けるのは難しいです。ただ、7件を並べると、ふつうのコメントでは起こらないことが重なっていました(カツプロ調べ:2026年9月、承認待ちの7件を WordPress の管理画面とデータベースで確認)。

見えたこと 7件の中身
リンクの数 7件とも、本文の中にちょうど1本。名前の横の「サイト」欄は7件とも空
送り元 IPアドレスは2系統だけ。1つのIPアドレスから4件、もう1系統から3件
投稿者の名前 同じIPアドレスから来た4件は、4つとも違う名前
ブラウザの情報 系統ごとに、4件・3件とも同じブラウザの情報
同じ道具 同じ道具のリンクが、別の名前で2回
名前と本文 名前は英語やサービス名なのに、本文は自然な日本語
付けられた記事 7件のうち5件が、同じ1つの記事に集中
文章の崩れ 1件だけ、「那些の心理を読み解く」と中国語の言葉が混ざっていた

いちばん分かりやすいのは送り元です。同じIPアドレスから、名前を変えて4回コメントする人は、まずいません。

WordPress の管理画面の「コメント」には、投稿者の名前の下にIPアドレスが出ています。承認する前に、ここを見る習慣を付けると見分けやすくなります。

最後の「那些」は、中国語で「あれらの」という意味の言葉です。日本語の文章に、そのまま混ざっていました。人が日本語で書いたなら、まず起きない崩れです。自然な日本語の感想に、決まった型、1本のリンク。わたしは、生成AIで記事ごとに文章を作り、自動で投稿しているのだと考えています(ここは推測です)。

目的は、リンクを載せてもらうこと

こうしたコメントの目的は、コメント欄にリンクを載せてもらうことです。

Google は、スパムを防ぐための資料の中で、次のように書いています。

スパム行為者は自分のサイトへのリンクを残すことを動機としていることが多い(Since oftentimes spammers are motivated by leaving a link to their site)

出典:Google 検索セントラル「Prevent user-generated spam on your site and platform」 https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/prevent-abuse

また、Google のスパムに関するポリシーでも、ブログのコメントスパムは「ユーザー生成スパム」の例として挙げられています。

Spam Policies for Google Web Search | Google Search Central  |  Documentation  |...The spam policies detail the behaviors and tactics that can lead to a page or an entire si...developers.google.com

WordPress 本体は、コメントの中のリンクに rel="nofollow ugc" を自動で付けます(WordPress の wp-includes/default-filters.php で、コメント本文に wp_rel_ugc を通している)。Google も、コメントやフォーラムの投稿のリンクには ugc を付けるよう勧めています。

Qualify Outbound Links for SEO | Google Search Central  |  Documentation  |  Goo...You might want to tell Google your relationship with outbound links on your site. Discover...developers.google.com

とはいえ、承認すれば、記事の下に知らない人のリンクが並びます。読んだ人がそのリンクを押すこともあります。自分のサイトで、身元の分からない道具を紹介することになります。承認しないのがいちばんです。

「リンクが多いコメントを止める」設定は、すり抜けられる

WordPress には、リンクの多いコメントを承認待ちに回す設定があります。

「設定」→「ディスカッション」の「コメントモデレーション」にある、「承認待ちにする前にコメント内で許可するリンクの数」です(WordPress 7.1 の表記)。わたしのサイトは「2」になっていました。

WordPress は、コメントの中のリンクの数がこの数以上のときに承認待ちにします(wp-includes/comment.php の判定)。「2」なら、リンクが2本以上のコメントだけが止まります。

今回の7件は、どれもリンクが1本です。この設定だけなら、7件とも通っていました。

WordPress の公式の説明にも、そのことが書いてあります。

少し前まで、コメントスパムには5個、10個、あるいはそれ以上のリンクが入っていた。(中略)スパム行為者はそれに気づき、リンクを1〜2個だけにするのが普通になった(spammers recognized that and commonly use only one or two hyperlinks)

出典:WordPress.org「Settings Discussion screen」 https://wordpress.org/documentation/article/settings-discussion-screen/

わたしのサイトでは、「コメントの手動承認を必須にする」を有効にしていたので、7件とも公開されずに承認待ちで止まっていました。

WordPress でできる対策

どれも「設定」→「ディスカッション」で変えられます。上の公式の説明に書かれている内容で、設定の名前は WordPress 7.1 の日本語の画面の表記です。

設定 どうなるか 向いているサイト
コメントの手動承認を必須にする すべてのコメントが、承認するまで公開されない コメントが少ないサイト。まずはこれ
「承認待ちにする前にコメント内で許可するリンクの数」を「1」にする リンクが1本でもあれば承認待ちになる 手動承認を必須にしたくないサイト
「コメントモデレーション」の欄に、IPアドレスや言葉を入れる 当てはまるコメントは承認待ちになる。1行に1つ 同じ送り元から何度も来ているとき
「コメント内で許可されないキーワード」の欄に、IPアドレスや言葉を入れる 当てはまるコメントはゴミ箱に入る 本物のコメントまで消えることがあるので、最後の手段
「古い投稿のコメントを自動的に閉じる」 決めた日数を過ぎた記事のコメント欄が閉じる 古い記事にばかり来るとき
ユーザー登録してログインしたユーザーのみコメントをつけられるようにする ログインした人しか書けない 会員制のサイト

「コメントモデレーション」と「コメント内で許可されないキーワード」は、本文だけでなく、名前・URL・メールアドレス・IPアドレス・ブラウザの情報まで見て判定します。今回のように、同じIPアドレスから名前を変えて来る場合に効きます。

ただし、IPアドレスは変えられます。IPアドレスで止めるのは、同じ送り元から続けて来ているときの手当てと考えてください。

コメントを受け付けていない記事が多いなら、コメント自体を閉じてしまうのも手です。

ボットによる自動投稿を減らすには、フォームに reCAPTCHA を入れる方法もあります。設定の方法は、こちらにまとめています。

reCAPTCHAの設定方法【2026年版】キーはGoogle Cloudで作ってContact Form 7に入れるreCAPTCHAのキーはGoogle Cloudで作る形に変わりました。2026年9月の画面で、Contact Form 7に設...pro.alcuesto.jp

Google の資料では、Akismet のようなスパム対策のプラグインも挙げられています。

承認待ちに来たら、「スパム」に振り分ける

今回の7件は、承認も返信もせず、「スパム」に振り分けます。

一覧でコメントにマウスを重ねると、「スパム」のリンクが出ます。まとめて処理するなら、左のチェックを入れて、一括操作で「スパムとしてマーク」を選びます。

返信しないのも大事です。承認待ちのコメントに管理画面から返信すると、そのコメントは承認されて公開されます(画面のヘルプにも「(承認して)返信」とあります)。

まとめ

  • 記事をちゃんと読んだ、自然な日本語のスパムコメントが来るようになった
  • 見分けるポイントは、後半の「話はそれますが」からの道具の話と、1本のリンク
  • 1件だけで迷ったら、IPアドレスを見る。同じIPアドレスから別の名前で来ていたらスパム
  • 「リンクが多いと承認待ち」の設定は、リンク1本ですり抜けられる。手動承認を必須にするか、リンクの数を「1」にする

文章が自然かどうかでは、もう見分けられません。見るのは、リンクと送り元です。

この記事の著者・監修

カツ
生成AIエンジニア/フロントエンドエンジニア/舞台監督などなど

カツ

カツプロ運営者のカツです! AI・Web関連から、日常のことなど、私目線の回答も交えながらお伝えします!

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