RunPodで生成AIの壁を越える。LoRA学習を15万円の買い物前に数百円で試す方法
かつ
2026/08/15
生成AIでアニメーションを作っています。その途中で、どうしても越えられない壁にぶつかりました。
解決策は分かっています。ただ、そのためには14〜18万円のパソコンが必要でした。「本当にそれで解決するのか」も分からないまま、その金額を出すのはためらいます。
そこで見つけたのが RunPod(ランポッド)という、GPU(画像や映像の計算が得意な部品)付きのパソコンを時間貸ししてくれるサービスです。15万円を出す前に、数百円で試せる。これが今回の記事の話です。
先にお断りします。この記事は「RunPodを選ぶまで」の実体験と、公式サイト・公式ドキュメントを確認して整理した内容です。私はまだRunPodを本格運用していません。「使ってみたら実際どうだったか」は、動かしたあとに別記事として書きます。使ってもいない機能を「便利です」とは書かないつもりです。
1. 生成AIで作り続けると、必ずぶつかる壁
1枚20円。安い。ただし1回で決まれば
いま静止画は Gemini(gemini-3-pro-image)で作っています。1枚あたり約20円。単価だけ見れば、外注はもちろん、自分で描く時間と比べても圧倒的に安いです。
問題は「1回で決まらない」ことでした。
キャラの顔・服・小物が、生成のたびに変わる
アニメーションなので、同じキャラクターが何カットも出てきます。ところが生成AIは、毎回ゼロから絵を描き直します。「さっき描いた絵の続き」という記憶を持っていません。
結果、こうなります。
| 変わってしまうもの | 実際に起きたこと |
|---|---|
| 顔 | 目の形・輪郭が微妙に別人になる |
| 服 | 襟の形、ボタンの数、色味が変わる |
| 小物 | カバンの形・色・持ち手が毎回違う |
基準になる絵(キャラクター設定画)を一緒に渡せば、ある程度は揃います。それでも画面に小さく写る小物までは揃いません。AIから見れば、画面の隅に数十ピクセルで写るカバンは「重要でない情報」です。指示を細かく書いても、毎回描き直されます。
ある1日、198回生成しました
記録を見返すと、いちばん多かった日で198回。そのうち「これでOK」と採用できたものは、ごく一部です。大半が、揃わなかったせいの作り直しでした。
金額にすれば約4,000円。1日分としては、まあ払える額です。ただ問題はお金ではありませんでした。
作り直しに使った時間と、集中力です。「出す→違う→指示を書き直す→また出す」を1日中やっていると、肝心の「どんな作品にするか」を考える余力が残りません。単価が安くても、当たるまで引き続けるガチャは高くつくということです。
解決策:LoRA(ローラ)でキャラと絵柄を固定する
調べた結果、対策ははっきりしていました。LoRA(ローラ)を作ることです。
LoRAとは:既存の画像生成AIに、自分の絵だけを追加で覚えさせる小さな「追加ファイル」のこと。AI本体を作り直すのではなく、差分だけを学ばせる方式なので、比較的少ない枚数・少ない計算で作れます。
毎回言葉で「こういう顔で、こういう服で、こういうカバンで」と説明するのをやめて、そもそもAI側に自分のキャラを覚えさせてしまうという発想です。
教材はもうあります。これまでの制作で「これはOK」と自分で承認した画像が305枚。捨てずに残していました。これを学習させれば、キャラと絵柄が固定できるはずです。
ところが、手元のパソコンでは動かなかった
LoRAの学習にはGPUが要ります。しかも、GPUに載っている専用メモリ(VRAM=ブイラム。GPUが計算用に使う作業机のようなもの)の量がものを言います。
私のノートPCはVRAM 4GB。まったく足りません。
そこで買い替えを検討しました。学習に耐えるGPUを積んだデスクトップは14〜18万円。出せない額ではありません。ただ、引っかかったのはここでした。
「LoRAを作れば本当に小物まで揃うのか」を、まだ自分で確かめていない。
ネットの記事では揃うと書いてあります。でも、私の絵柄で、私の305枚で、私が求める精度に届くかは分かりません。効果が未確認のまま15万円を先に払うのは、順番が逆です。
ではどうするか。買う前に、借りて試す。その受け皿がRunPodでした。
2. RunPodとは何か
ひとことで言うと、GPU付きのパソコンを、インターネット越しに時間貸ししてくれるサービスです(https://www.runpod.io/)。
レンタカーに近いイメージです。車を買わなくても、必要なときだけ借りて、返せば止まる。あれのGPU版だと思ってください。
手元のパソコンは、ただの画面になる
借りたパソコンは、遠くのデータセンターの中で動いています。手元のノートPCがやるのは、その画面をブラウザで映すことだけです。つまり、私の4GBのノートPCのままで、高性能GPUを使えます。
計算しているのは向こう側なので、こちらのパソコンの性能はほぼ関係ありません。ネットにつながって、ブラウザが動けば十分です。
「Pod(ポッド)」という単位
RunPodでは、借りた1台をPod(ポッド)と呼びます。起動すると自分専用の1台が立ち上がり、止めると課金が止まります。この「起動している時間だけ払う」が基本の仕組みです。
公式ドキュメントによると、料金は秒単位で計算され、データの送受信(通信量)に別料金はかかりません。
2種類の借り方がある
| 種類 | 中身 | 向き |
|---|---|---|
| Secure Cloud (セキュアクラウド) | RunPodが管理するデータセンターのマシン | 安定性・信頼性を優先したいとき |
| Community Cloud (コミュニティクラウド) | 第三者が提供しているマシンを借りる形 | とにかく安く試したいとき |
同じGPUでも値段が違います。ここが、今回の「まず安く試す」に効いてきます。
この記事の著者・監修
カツ
カツプロ運営者のカツです! AI・Web関連から、日常のことなど、私目線の回答も交えながらお伝えします!
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